マイルチャンピオンシップ2021 プレビュー

例年の京都コースではなく、阪神コースで施行されることがポイントになりそう。連続開催により、馬場の内側がかなり荒れているという情報もある。実際に、前週のエリザベス女王杯はかなり極端な前崩れの展開になり、外から差した人気薄が上位を占めた

 

昨年の12着馬が今年も揃って出走。1着馬グランアレグリアはこのレースが引退レース。2着馬インディチャンプはここが休み明けで、暮れの香港マイルに登録がある。昨年は完璧に乗られたインディチャンプを、直線やや行き場を失っているようにも見えたグランアレグリアが、最終的には余裕を持って差し切った。この序列は今年も変わらないように見える

 

昨年はやや離された5着に終わったサリオスも2年続けての出走。昨年は外枠スタートの上、スタートで出負けし、勝ち負けできるようなポジションを取れなかった。今春の安田記念は最内枠を引いたが、やはりいいポジションを取れず、さらに直線は前が壁になってまともに追えなかった。そうした追走スピードのなさがこの馬のキャラクターと言ってしまえばそれまでだが、スムーズに競馬ができれば、の期待はまだある。外差しの馬場に加えてハイペースの展開になれば、2G1を勝った舞台で再度頂点に輝くかもしれない

 

古馬で勝負になりそうなのは以上3頭までと見て、あとは3歳馬の取捨。実績ナンバーワンのシュネルマイスターは、NHKマイルカップを勝ち、さらに春の時点で安田記念3着。秋初戦となった毎日王冠も快勝しており、古馬相手にも通用するところをすでに示している。手応え以上にしぶとく脚を伸ばしてくる印象で、直線の長いコースに向いていそう。ここまですべて外を回すスムーズなレースを続けており、馬群を縫って伸びるハンドリングのよさやギアチェンジのスムーズさを持ち合わせているのかは気になるところ

 

グレナディアガーズは、超ハイペースのNHKマイルカップで、外を回って早め先頭から3着に粘る強い競馬。シュネルマイスターを物差しにすれば、こちらも古馬一線級と互角以上にやれておかしくない。ただ、レースを重ねるほどにキレよりもパワーで勝負するタイプにシフトしてきているように見え、それは過去のフランケル産駒のイメージとも合致する。同じ舞台の朝日杯フューチュリティステークスを勝ってはいるが、阪神1600メートルの適性という点でどうなのか

 

ダノンザキッドは骨折休み明け22キロ増の前走富士ステークスが、いかにもひと叩きといったレースぶり。未知の可能性に賭ける手はある。ホウオウアマゾンは阪神コースに実績が集中しており、前走スワンステークスは先行馬総崩れの中、唯一逃げ残った粘り強さが特筆ものだった

 

シュネルマイスターとサリオスの2枠は、キャラクター的には難しい枠に入った印象。前者はルメールから横山武に替わって、どう乗るだろうか。グランアレグリアの12番は並び、馬場ともに申し分なく、その一つ外に入ったダノンザキッドも目標が明確で、競馬がしやすいだろう。インディチャンプは可もなく不可もなく、といったところ。ホウオウアマゾンの1枠は逃げ馬としては絶好だが、やはり馬場状態が気になる

 

結論:

馬単3点買い

グランアレグリア⇆ダノンザキッド

グランアレグリア→インディチャンプ